博士のなげきの歌 2021年10月23日
選挙が近くなると、ある悩みが出てくる。
地元の先輩による投票お願い電話である。素晴らしい行動だと思いますよ。自分が信じている候補者への投票を呼びかける行為自体は。
ただ問題なのは、その人が信じている党が与党なんですよね。(察してください)
ここで一首。
自公維に入れはしないと決めている携帯電話にそぐわぬ着信 野崎挽生
本当はちゃんと言いたいですよ。今回は自民・公明・維新に入れることは僕の意にそぐわないので遠慮させていただきます、と。
ただ、彼らは政治を越えたものを信じているわけで、僕から言わせれば盲信している。
今回は遠慮しますといって、引き下がってくれるだろうか…。かといって議論するのも正直不毛な気がするんですよ。政治の話では済まないと思うので。
そんな風に考えていると、どうしても電話に出ることができない。
じゃあ、口先だけで入れておきまーすって言えばいいんじゃないかとも思うし、現にそれでかわしたこともあるのだけれど、今回ばかりは自公維には入れてはいけないというのは僕の信念みたいなもので、口先だけでもいいたくないっていうのが正直なところ。それに嘘をついて、彼らの票計算を狂わせるのも本意ではない。投票を呼び掛ける行為自体は素晴らしいことだと思うのでね。
うーん。そんなときになんとなく小学校のときに学芸会でやったミュージカル「森は生きている」の中のある歌が浮かんできた。
幼い女王の家庭教師である博士が、わざと問題に間違える女王に対して嘆いている歌。
私は学者 真理の守り手
間違い許せば学問の恥
生徒は女王で私は臣下
間違い正せば反逆の罪
私は一体どうしたらいい
真理は一つ 命も一つ
博士の気持ちがわかります。ここまでの葛藤ではないですけどね。
それにしてもこの歌はすごく覚えている。博士のなげきは小学三年生の僕にズバッと突き刺さり、この世界に蔓延る矛盾の一端を実感として意識したような気がします。
まぁ反逆の罪にはさすがにならないと思うので、電話に出て、今回はすみませんって言うつもりです。それがいいよなぁ。